脂こってり、ウナギ風味のナマズ 近大、業者と研究

私はナマズを食べた事はありませんが別にそのままの味でも充分美味しいとか。

以下引用。
http://digital.asahi.com/articles/ASH4X61NCH4XUEHF011.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH4X61NCH4XUEHF011
脂こってり、ウナギ風味のナマズ 近大、業者と研究
西村悠輔
2015年5月8日11時37分

香ばしい匂い、こってりした脂……。ウナギのかば焼きに見えるが、実はナマズだ。近畿大学の研究者と鹿児島の養鰻(ようまん)業者が協力し、養殖ナマズのエサを一工夫したところ、ウナギに似た風味になった。9日からウナギ料理店で試験販売し、顧客の声をアンケートで集める予定だ。絶滅が危惧されるウナギに代わり、夏の主役になれる!?

「ウナギ風味のナマズ」作りに取り組むのは、近大水産経済学研究室(奈良市)の有路(ありじ)昌彦准教授(40)と同大学院1年の和田好平(こうへい)さん(22)。近大はクロマグロの完全養殖など食の安全・安定を探る研究者が多い。有路准教授は約4年前に調査、研究を開始。昨年、鹿児島県・大隅半島でナマズとウナギの両方を育てる牧原養鰻の協力を得て試行錯誤を重ねてきた。

ナマズは川や湖沼にすむ淡水魚でウナギとは異なるが、ぬるぬるとした表面や生息地など似ている点もあり、有路准教授は「ウナギの代替食になるのではないか」と考えてきた。各地のナマズを取り寄せ、脂の乗り具合や臭みなどを比較。「マナマズ(ニホンナマズ)」という種類がかば焼きに適すると判断した。泥臭さは生育環境の影響が大きいため、エサなど養殖技術を工夫すればウナギ並みになると研究してきた。

有路准教授によると、国内には海水魚の養殖に使う固形エサが数百種類あり、栄養価や品質が高いという。従来の淡水魚用のかわりに、この中から油脂を多く含むエサを用いて牧原養鰻に育ててもらった。昨年秋に調理したところ、淡泊であっさりした当初の味から脂身が増し、「まるでウナギや!」と思った。さらにたんぱく質が豊富なエサも混ぜ、弾力のある肉質になるように工夫を重ねているという。牧原養鰻の牧原博文社長(47)は「脂乗りがよくなり、切り身の光沢も違う」と話す。

試食を終えた同業者の反応は上々。しかし、牧原社長は「今後、広く市場を開拓できるかがカギになる」とみる。ナマズは海外では食材として普及するが、国内では郷土食などとして岐阜や千葉など一部地域で食される程度という。有路准教授と和田さんは「ナマズは完全養殖ができ、価格を抑えられる。普及させ、ウナギの資源回復と業界の役に立てれば」と口をそろえる。

試験販売は、協力に応じたウナギ料理店「うなぎの川はら」の奈良県大和郡山市と奈良市の計2店舗で予定。ナマズ重とかば焼きを、ウナギの半値近くで提供する。山岡章社長(66)は「身が大きいので薄く切り、味付けを工夫したらうまくいった。商品として十分いけると思う」と話す。問い合わせは、大和郡山店(0743・52・7545)へ。(西村悠輔)

■濃厚な脂、食感はウナギ
奈良県大和郡山市の「うなぎの川はら」で先月、ナマズのかば焼きの試作を食べてみた。炭火でじんわりと焼き上がるのを見守っていると、食欲がそそられた。出来上がりは、タレが絡んでつややか。ウナギと並べると、見た目はほとんど変わらないと思う。

口に運ぶと、濃厚な脂の風味が広がった。身や皮の食感はウナギ。ただ肉厚の身のところはややほぐれやすく、あっさりしていると感じた。浜本弘之店長(37)は「臭みはありません。少し淡泊なのでタレを濃く味付けしました」。

刺し身もいただいた。見た目はタイのよう。コリコリした歯ごたえと、かめばかむほどまったりとした味だ。管理されて育つ養殖は生食も可能という。

〈絶滅の恐れがあるウナギ〉 国内に出回る大半がニホンウナギとされる中、国際自然保護連合(IUCN)が昨年6月、絶滅のおそれがある野生生物を指定する「レッドリスト」にニホンウナギを絶滅危惧種として加えた。同年11月にはアメリカウナギも追加。すでに2008年にヨーロッパウナギも入っている。資源量の減少は稚魚の乱獲などが原因とされる。

引用ここまで。

この記事へのトラックバック