侵入種コクチバス、駆除から逃れる進化 生殖サイクルを加速

早期根絶が望ましいという事ですね。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG29CPK0Z20C26A1000000/?fbclid=IwY2xjawPrwKJleHRuA2FlbQIxMQBzcnRjBmFwcF9pZBAyMjIwMzkxNzg4MjAwODkyAAEenv4Mj76IYSh4Eey20j0DKvku1wgQdz35DSYamLL9IG3JzEQTPhqXR--jHnk_aem_2206tyfv-cfIpsDIXTiMyw

以下引用。
侵入種コクチバス、駆除から逃れる進化 生殖サイクルを加速
日経サイエンス
2026年1月31日 11:00

米ニューヨーク州のアディロンダック山地にあるリトルムース湖では、歓迎されざる侵入種コクチバスが激増している。これまで20年にわたって、年に2回特別な装備を備えた船を湖に出して数メートル以内にいるすべての魚に電気ショックを与え、気絶したコクチバスを捕獲する作戦を実行してきた(他の魚は放置して回復に任せる)。だがコーネル大学のグループは、コクチバスが短期間で成長するよう進化し、電撃駆除の前に繁殖を済ませるようになったことをつきとめた。


スポーツフィッシングのために放流され,米国各地で激増した侵入種コクチバス =Ana Maria Tudor/Alamy Stock Photo
コクチバスはスポーツフィッシングの対象となる淡水魚のなかでもファイトが激しく、釣り針から逃れようと大きくジャンプするので釣り人に人気がある。19世紀後半、アウトドア派の人たちがこの肉食魚をあちこちの湖や釣り場に放流し始めた。コクチバスは貴重なマスなどの在来魚を食い荒らし圧倒した。

リトルムース湖の在来種レイクトラウトは、かつては体長1m近くまで成長したが、コクチバスの増加によって成長が著しく妨げられ、体長20cm余りになってしまったと、スミソニアン国立動物園・保全生物学研究所の分子生態学者ザリ(Liam Zarri)はいう。ザリは駆除活動によってコクチバスに生じた遺伝的影響をコーネル大学で特定し、結果を米国科学アカデミー紀要に報告した。

コクチバスはもともと一連の生存戦略に使える遺伝子を持っていた。性的成熟が遅めでゆっくり大きく成長する遺伝的素因を持つ個体は電撃駆除のために子孫を残せず、「短期間で成長して早く死ぬ個体、つまりできるだけ早く子孫を残すスピードバイクような個体が残った」とザリはいう。

コクチバスを高速レーンに乗せたのは成長速度と生殖時期に関与する染色体だ。これらの染色体のDNA配列は、電撃駆除が始まる前にリトルムース湖のバスから採取・保存されていた組織検体のDNA配列と「大きく異なる」とザリは指摘する。この変化が湖の個体群に広がり、駆除に対抗する進化的な逆襲となった。

だが「ここから学ぶべき教訓は勝負の勝ち負けではない」とゲノム比較を手伝ったサーキルスデン(Nina Therkilsden)は話す。「進化に逆らうのではなく、進化を予測して取り入れる保護策が必要だ」。

カナダで侵入種問題に取り組んでいる生態学者のグリーン(Stephanie Green、この研究には加わっていない)は、駆除のタイミングや頻度を変えればコクチバスのこの急速な進化を抑えられるだろうとみる。研究グループは現在、そのような代替戦略を検討中だ。

詳細は1月23日発売の日経サイエンス2026年3月号に掲載

引用ここまで。

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